2008年秋・烟台−上海訪問記録               TOPページ
   *呉遵民・末本誠・ 小林文人共編著
     『現代終身学習論
』(上海教育出版社、2007年)記録・下掲



<11月初旬の中国訪問計画−呼びかけ> 小林ぶんじん
                                 南の風2099号(20080925)
 この間、数回「風」に「秋の訪中計画」について書きました(2093号、9月14日など)。当初は10月下旬スケジュールを考えていましたが、上海側に諸事情があり、11月初旬(1〜3日連休を中心)案に修正。北京の韓民さんにもその線で上海で合流できないかと打診しています。しかしまだ返事がありません。おそらく多忙なのでしょう。時期的にも計画を具体化する必要がありますので、次のような訪中計画・修正案を考えてみました。今後さらに参加者の希望により、一部修正があると思いますが、まずは第二次の提案といたします。
1,主な訪問先:上海
2,日程案:10月31日(金)〜11月4日(火)
  *10月31日午後に上海に集合(11月1日〜3日を中心に主要スケジュールを組む)
3,内容:(1)華東師範大学・関係各位との再会
       (2)閘北区・行健職業学院(旧・業余大学)訪問 袁允偉さんの学長就任お祝い
       (3)上海教育出版社・新上海本(呉・末本・小林共編『現代生涯学習論―学習社
         会構築への架橋』)の刊行祝い
      (4)TOAFAEC『東アジア社会教育研究』第13号の配布
4,航空券:各自に安いチケットを購入。ご依頼があれば一括購入。
5,ホテル:あまり高くない部屋を上海側(呉遵民さん、あるいは羅李争さんなど)に依頼。
6,参加者(予想):TOAFAEC (東京他)、沖縄など6〜7名
  *ご関心ある方のご希望、日程についてのご意見をお寄せください。
7,備考:小林は上海日程前(あるいは上海後)に烟台に寄る予定です。(2泊3日程度、
      烟台日本語学校の訪問など)もし同行希望の方があればご一報を。歓迎!です。 
 上海の呉遵民さん、こんな日程案で呼びかけを始めますが、華東師範大学の皆様(とくに杜・学部長)のご都合は如何でしょうか。
 同じく羅李争さん、行健職業学院・袁允偉さんによろしくお伝え下さい。北京・韓民さんには、そちらからもお誘いの連絡をとって下さい。
 スケジュールの細部について、今後ご相談しながら具体案をつくっていきたいと思います。ご助言よろしくお願いします。


■11月(TOAFAEC)訪中計画・経過報告
 …風2109号(2008年10月14日)…
 訪中計画の呼びかけから2週間余り。風2104号(10月4日号)に参加状況など書きましたが、さらにその後の経過を含め、あらためて参加者の上海到着(及び出発)スケジュールやホテルのことなど、いま分かっている範囲での報告とお願いを申しあげます。(以下、敬称略)
1,スケジュール:
 10月29日(水)午後、青島を経由して烟台へ、小林文人・伊藤長和
 10月30日(木)午後、那覇より上海(浦東空港)へ、名城ふじ子、内田純一(台湾より) 
 10月31日(金)午後、烟台より上海(虹橋空港)着、小林・伊藤
 11月 1日(土)午後(おそらく)、上海(浦東空港)着、末本誠
 11月 4日(火)帰国(浦東、虹橋)
 *往復の航空券:各自予約
2,参加者:以上の5名(小林、伊藤、名城、内田、末本)に加えて
 沖縄から参加(確定):当間奈々子(現在、上海滞在中)
 韓国から参加(準備中):魯在化、他に1〜2名(検討中)
 日本から参加(準備中):黄丹青(埼玉)、黄新天(現在、紹興在住)
 合計8〜9名の参加者(予定)確定次第、連絡します。
3,ホテル(1)烟台−2名2泊、張林新さんに予約お願いします。
       (2)上海・華東師範大学賓館 
  10月30日・前泊1名(内田)、名城は不要
  10月31日・3名(内田、小林、伊藤)
  11月1日〜3日・4名(内田、小林、伊藤、末本)
*これに韓国からの1〜3名、黄姉妹の2名が参加検討中。−確定次第連絡。
*沖縄からの2名(名城等)についてはホテル予約不要とのこと。
 出発まであと2週間、まだ未確定があり、申し訳ありませんが、現段階での経過報告です。上海の呉遵民さん、羅李争さん、そして烟台の張林新さんの皆さま、どうぞよろしくお願いします。


■11月訪中計画<上海スケジュール、新上海本刊行>呉遵民  南の風2111号(10月17日)
 メール(南の風・2109号)拝見、今のところ10月31日−11月3日までの上海日程はほぼ確定しました。まだ案のところがありますが、以下の通りご報告いたします。
 31日の午後、呉と老周さん(華東師範大学)が虹橋空港まで出迎えに行きます。ホテルへ案内したあと、歓迎宴会を開催。杜さん(学部長)が出張のため、周さん(書記)が主催。
 1日は、上海の社区教育の現場視察並びに交流。この日の午前は、楊浦区、午後は徐ヱ区。これは葉忠海先生のご案内です。
 2日は袁允偉さんなど(行建職業学院)との交流。
 3日は杜さんのご案内。朝から出かけ、寧波の蒋介石の古居等への観光。夜は送別会。
 末本先生は1日の午後に到着、3日は一緒に同行して、夜は、新上海本出版のお祝い会をあわせて開催(案)。この場合は袁さん(上海教育出版社)たちに呼びかけします。
 再伸:新上海本は15日の日付でこの世に誕生いたしました。出版社から電話がありました。2年の歳月をかけての編集・刊行、嬉しい気持ちで一杯です。先生、有難う! …(略)…

■上海日程、最終調整 呉 遵民(Thu, 23 Oct 2008 13:11) 風2115号(10月26日)
 … 先生らの中国訪問が近づきます。再会が楽しみです。ところで、いくつか最新情報とお願いがありよろしくお願いします。
1、小林先生が上海につく時間が分かりました。午後に少し休憩を頂いて、夕食までの時間、教育学部の新ビルを参観していただけませんか。
2、上海にいらしゃる方のはっきりした人数を知りたいですが・・宿泊の最後確認の必要です。
3、いま一点、新しい情報もあり。上海は既に生涯教育法の地方条例をつくっているところですが、私もこの法制化の核心メンバに入っています。案を作る部門は、上海教育委員会の法規処と生涯教育処というところです。今回たまたま先生らがご訪問の情報を知り、是非とも委員会のリーダーたちは先生らと一度お会いしたいです。
 今の日程では、1日は葉先生の案内、3日は杜先生と寧波へ、お会い出来る日は11月2日しかありません。当日は先生と閘北区の袁さんらとの御用もあり。もし午前は先生と袁さんらの会見、午後3時から、上海教育委員会の人たちと会うこと出来ませんか? 内容は交流会と夕食会です。もちろん末本先生もご参加していただきたいです(午後3時から)。取り急ぎ以上お願いまで。
  

<スケジュール・参加メンバー>
2008年
10月29日<水>(NH927  10:10成田発 →12:50青島着)烟台 小林文人・伊藤長和さん
 *ホテル:中心大飯店(烟台市南大街81号 рW6−535−6589−666)
 *連絡先:張林新(рP39−5451−0011) 日本рO90−6701−8585
   烟台日本語学校(0535−6681−756)
10月30日<木>(1)烟台(小林・伊藤) 烟台日本語学校訪問・夜は歓迎交流宴会
 (2)那覇→上海  内田純一さん(台湾経由)、名城ふじ子さん
 (3)紹興→上海 黄新天さん(30日〜1日)*華東師範大学ホテル:宿泊2人
10月31日<金>(1)(MU5546  10:15烟台発 →11:35上海虹橋着)、小林・伊藤
 (2)内田・名城・当間、黄新天
 *上海連絡先:呉遵民(H)021−6262−7381
   羅李争(H)021−6522−1413 *華東師範大学ホテル:宿泊4人
   *華東師範大学教育学系による歓迎夕食会
11月 1日<土>上海(午前・楊浦区、午後・徐ヱ区)社区教育視察
 *末本誠さん到着(午後)
 *華東師範大学ホテル:宿泊4人
11月 2日<日>上海・閘北区行健職業学院(袁允偉・校長)訪問、韓民さん・羅李争さん参加。
 *歓迎昼食会、新校長就任祝いの乾杯、小林富美の誕生日祝い電話
  上海市教育委員会関係者との懇談(上海・生涯教育条例づくりについて)
 *韓国・魯在化さん(2日〜4日)参加
 *華東師範大学ホテル:宿泊4〜5人
11月 3日<月>寧波(蒋介石・古居等、華東師範大学・教育学系の案内
 *同学部長・杜成憲氏による招待宴会、新上海出版祝賀会
 *華東師範大学ホテル:宿泊4〜5人
11月 4日<火>帰国 (1) NH922 10:15上海浦東発→ 13:55 成田着(小林・伊藤)
  (2) MU747 12:20 上海浦東発→ 15:40 関空着(内田)  (3) 午後 (末本)
<メモ>
沖縄から参加:当間奈々子(上海滞在中)、名城ふじ子二人のホテル予約不要
*紹興より黄新天さん、10月30日午後〜11月1日午前・参加(2泊))黄丹青は不参加
*韓国から魯在化さん、11月2日夜〜4日に参加
*北京より韓民さん(中国教育部)閘北区行健職業学院の招聘により合流(1日〜2日)
*新刊(上海教育出版社)呉・末本・小林編著『現代生涯学習論―学習社会へ向けての
     架橋』 *出版祝賀会(日程・11月3日夜

■関連記事・写真



■<山東省・烟台にて> 南の風2116号(10月31日)
 ちょうど1年ぶりの烟台。今回は伊藤長和さん(川崎)がご一緒です。はじめて烟台を訪問して十年ちかく、「烟台日本語学校」が正式に開校したのがたしか2003年の夏でした。あれから、もう5年が経ったことになります。来るたびに、街は見違えるるほどの変化です。大きなビルが数を増し、かっての古い街並みは変貌してしまいました。
 烟台については、「日本語学校・日本人教師ご紹介お願い」(時永芳さん)を載せた号(風2089号、9月7日)に、珍しく、経済記事「日中合弁」を書いたことがあります。留学生の支援と住居建設等をめぐって日本側企業(住友林業)と中国=烟台側の企業(社長・張林新)が協力し合う動き。今回の烟台訪問では、住友林業の皆さんと烟台市の政府・行政関係者と2日にわたって同席・懇談する機会となり、「社会的企業」について考える機会となりました。
 重い「東アジア社会教育研究」第13号の包みを抱えています。明日(31日)午前には上海に向かいます。日本出発直前に、韓国・魯在化さんより電話があり、11月2日、上海訪問団に合流するとのこと。沖縄からの2人を加え、合計7〜8人の賑やかなメンバーとなる見込みです。呉遵民さんはじめ、上海の皆さまにお世話になることと思います。
 もちろん今日(30日)は、烟台日本語学校も訪問しました。各クラスをまわって、名誉校長として挨拶。夜は先生方と会食し、ともに歌をうたいあいました。ぶんじんは酔って沖縄の「花」(喜納昌吉)を熱唱?張淋新さんはじめ烟台の皆さま、熱烈!歓迎、有り難うございました。

烟台日本語学校スタッフと学生たち、後列中央に伊藤長和さん−1年後には赴任(20081030)


<上海の同窓会> 南の風2119号(11月4日)
 いま上海・華東師範大学の学術交流センター(ゲストハウス)で書いています。川が流れている大学キャンパス、遠くに騒然たる上海市内を見下ろす10階の快適な部屋。上海でのスケジュール(10月31日〜11月4日)づくり、宿泊の手配、諸連絡など、呉遵民さん(華東師範大学教授)にお世話になっています。どうも有り難う!
 ほぼ予定通りのスケジュールで動いています。上海訪問団参加メンバーは、すでに前号にご紹介した伊藤長和(川崎市教委)、30日に上海着の内田純一(高知大学)、黄新天(浙江省・紹興市)、名城ふじ子(那覇、おきなわ社会教育研究会)、当間奈奈子(同)、11月1日到着の末本誠(神戸大学)の皆さん。加えて11月2日は北京から韓民(中国政府教育部)さんが合流、同夜には韓国から魯在化(聖潔大学校)さんが駆けつけてくれました。ぶんじんを加えて合計9名。ただし、忙しい韓民さんは2日夜に北京へ帰り、魯在化さんとは会えませんでしたが・・・。
 上海の旧知の皆さんとの再会、また新しい出会いあり、連日の歓迎会、書くことがたくさん。追々と参加の皆さんから上海訪問記録や感想等が届くことと思います。
 昨日(2日)の閘北区(行健職業学院)訪問では、迎えてくれた院長・袁允偉さん、その友人の羅李争さんともに東京学芸大学に留学していた人たち。在籍の年度は異なりますが、上記の内田、名城、韓民、魯在化などの皆さんも学大(院)卒。袁允偉さん院長就任お祝いの乾杯の席は、思わぬ同窓会となりました。


<待望の新上海本『現代生涯学習論』刊行!> 南の風2120号(11月5日)
 予定の便で無事帰国・帰宅しました。お世話になった烟台・張林新さん、上海ではとくに呉遵民さん、まことにありがとうございました。今回は北京の韓民さん、韓国から魯在化さん、そして沖縄から名城ふじ子さんたちが参加され、これまでにない顔ぶれ。皆様、お疲れさまでした。想像以上の充実した旅となり、喜んでいます。
 この間「風」は烟台と上海からそれぞれ1通づつ送信しましたが、若干の混乱があったようで、上海発2119号は、念のため(帰国して)再送。お騒がせしました。連日、卓上に並ぶ歓迎の料理を堪能し、かなり酔っての送信、きっと手もとが狂ったのでしょう。努力だけ認めてやってください。もしなお未着の号あれば、ご一報を。
 今回の旅の最大の話題は、なんといっても待ちに待った新上海本『現代生涯学習論』(上海教育出版社)が誕生したことです。呉遵民・末本誠・小林文人(三世代)共編、日本からの執筆は十人あまり。
 前著『現代社区教育の展望』(同編、同出版社、2003年刊)に続く快挙というべき。企画が始まったのは2005年ですから、実質4年かかったことになります。原稿執筆の遅れがあり、その後の出版社の事情が重なって、この間、正直のところ出版できるかどうか危ぶむ気持もあったほど。喜びも特別なものがあります。
 主編者の呉遵民さんからきっと正式のご報告・紹介があると思います。
 3日の夜の晩餐会は、編者3人が揃い、出版社編集局長(いま退任)袁正守さんもお見えになって、華東師範大学・杜成憲学部長(教育学系)の音頭で、一同で出版を祝い、お互いの労をねぎらいつつ、高らかに乾杯しました。200冊ほど送本をお願いしてきましたので、そのうちに日本の皆様にもお頒けできると思います。B5版258頁、定価(なんと!)19元、著者割引もあり日本での頒布は1冊220円ほどか。執筆者及び訳者の皆様には(中国元・原稿料を添えて)近くお送りできる見込み。もっとも送料の方が高くなりそうです。


■<奔流の勢い−上海の社区教育・生涯学習> 南の風2121号(11月7日)
 11月2日の上海・閘北区(行健職業学院)訪問は、袁允偉(新)院長のお祝いに参上したのですが、結果的には盛大な歓迎をいただき、逆に一同、豪華な昼食をご馳走していただきました。恐縮しています。久しぶりに同学院・図書館内におかれている「小林国際交流閲覧室」へ。この空間が、今後の上海と日本(大都市)の研究交流拠点としてどう活用されていくか、あらためてその可能性・課題を考えました。
 袁さんは、閘北区『社区教育・実践と探索』(2005〜2008、同区社区教育委員会弁公室編)など数冊の最新資料を人数分だけ用意、ご丁寧にも、これを日本に運ぶためのスーツケース2個を添えて。他の訪問先から頂いた文献資料を含めて、この二つのスーツケースにぎっしり詰め込み、小林と内田純一さん、新上海本(風前号に既報)も伊藤長和さんの荷物に入れてもらって、日本に持ち帰ったという次第です。
 いま上海の社区教育は奔流の如き勢いで動いています。15年あまり“定点観測”してきた立場から実感できます。とくにこの数年の躍進には圧倒されるものあり。上海のすべての区に社区学院(コミュニテイ・カレッジ)、230のすべての街道(行政単位)に社区文化活動中心(コミュニテイ・センター)が整備されました。それも5000u規模の本格的な施設。毎年、活発に「学習節」(生涯学習フェスティバル)も催されています。
 そのような胎動が、手に持ちきれないほどの資料・パンフ・ポスター類を生み出し、新しい「社区活動・生涯学習」出版物に結実しているのでしょう。上海市当局(教育委員会)も今年、これまでになく重い実践記録集や「(改革開放30周年記念)改革発展中的上海成人教育」写真集を公刊。これら頂いたものはすべて、エンヤコラサと持ち運んできたという経過です。次回の定例研究会(12月12日予定)でご報告することにいたしましょう。


■<大都市上海の社区(地域)教育研究> 南の風2122号(11月9日)
 いま季節の曲がり角、上海から帰国した東京はやや寒く、おそらく疲れもあったのでしょう、風邪気味です。約束の夜の会になんとか出席しましたが、ひどくならないよう、この一両日は神妙にしています。
 今回の上海訪問については、ご報告することがいくつもあります。上掲の呉さんが書いている上海市「生涯教育条例」づくりの動き。思いもかけず、上海市教育委員会・副主任や担当(法規処、生涯教育処)の皆さんから意見を求められる数時間がありました。来年に向けて作業を進め。本格的な条例案が作成される予定だそうです。これからの展開が楽しみです。
 前号に書いた「奔流の上海・社区教育」については、状況を知るだけでなく、議論する機会もありました。ぶんじんは、閘北区訪問(11月2日)の折、中国のかっての業余教育・職業教育(その意味の成人教育)の最近の位置づけ、あるいは地域(社区)活動や生涯学習普及を担っていく固有の職員体制(現状は主に学校教員の派遣体制)の課題などについて、あえて問題提起をしてみました。懐かしい韓民さん(中国教育部)も横に座っていましたから、彼の見解も聞きたかったからです。
 楊浦区や徐匯区への訪問(11月1日)も興味深いものがありました。なかでも徐匯区の徐家匯街道については、私たちの『東アジア社会教育研究』第13号に実践報告を掲載していますし、また新刊『現代終身学習論』(風2120号)にも同街道からの報告(ただし中国語)が収録されています。今回また、直接に頂いた資料も少なからず。
 上海成人教育・社区教育との付き合いは、閘北区との交流や、呉遵民さんの“架け橋”の役割があって、すでに10年を越えました(HPに記載→■)。これまでをステップに、大都市・上海の研究を本格的に始めるときが来たのではないか。日本の大都市社会教育研究とも関連して、中国(韓国も含めて)の大都市研究を継続的に位置づけることはできないか、日本側でも若い世代がきっと登場してくるだろう・・・・などなど、と秋の夜の夢を楽しんでいます。長くなりますので、この辺で。

■<上海訪問、新上海本の出版> 呉 遵民 南の風2122号(11月9日)
 小林先生、お礼のメールを頂き誠に有難うございました。ご無事で帰国されたとのこと、なによりと存じます。
 今回の上海訪問、短い時間で先生はじめ日本の皆様には大変お疲れ様でした。いろんな日程のなかでも、特に上海市人民政府・教育委員会の責任者(副主任・李駿修氏)との会談、上海の生涯教育地方条例を策定することについて意見交換をすることがができましたが、大変有意義なことであったと思います。
 また、私たちの第二冊目の新上海本『現代終身学習論』の出版が実現したこと、やはりもうひとつ、おめでたいことでした。原稿収集の難しさと出版諸事情により、予定から2年以上の遅れとなりましたが、しかしなんといっても最後まで、最後まで放棄することなく頑張った結果、やっと日本代表団が今回到着されるわずか数日前に出版できたという経過でした。最終のまとめ、校正その他全般的な質の保障の責任者、その立場から私としても本当に大変だと感じて参りました。
 出版事情は厳しく、市場化の影響で出版社も利益を考えなければなりません。こんな事情があっても本を最後まで諦めず、出版を実現できたのは、やはり本自体が具有する魅力があったからではないかと思います。 
 ここで参考までに、本の裏表紙に出版社の編集者が書いた評価をそのまま翻訳、ご紹介しておきます。
 「この本は、中日両国師徒・三代学者ー小林文人、末本誠、呉遵民が、前著『現代社区教育新視野』に引き続き出版された力作である。著者たちは“生涯教育から生涯学習へ”という国際背景と発展動向を深く考えながら、同時に独自の視角によって、批判的生涯学習を推進していくプロセスの中の問題とマイナス課題を分析している。本書はさらに東アジヤ地域における生涯学習の理論と実践を深く考察している。本書の出版はまさに中国国内における“学習社会”の構築に向けて重要な役割を果たしながら学術的空白を埋めるものといえる。」
 取り急ぎのお礼と、あらためての「おめでとう!」を申しあげます。

 ▼出版社と編者3人ー祝賀の乾杯、右端に呉さん (上海、20081103
 


■<中国訪問−上海訪問・受領資料一覧> 内田純一 南の風2126号(11月15日)
 今回の上海訪問で頂戴した資料のリストを作成してみました。まず何と言っても圧巻は(1)です。本年10月、閘北区を会場に開催された揚子江デルタを中心とする地域(上海市、浙江省、江蘇省)の社区教育発展研究集会の論文集。総頁760。上海市から121本、浙江省54、江蘇省72、計247本もの論文・実践報告が詰まっています。
 詳細はまだ分かりませんが、社区教育をめぐってこれだけの論文集が作られていること自体に、社区教育の大きなうねりとともに、上海市教育委員会の社区教育に対する力の入れようを感じます。
 資料(3)は、この集会に合わせて閘北区教育委員会が編集したのだろうと思いますが、ここにも31の論文と13実践報告が掲載されています。ちなみに、前言(はじめに)には、2008年段階で、閘北区には、1つの社区学院、9カ所の社区学校、76社区分校、そして248カ所の社区教学点(地域学習情報スペース)があると書かれています。
 その簡単な紹介が(4)になされていますが、閘北区人民政府・教育委員会は、上海行健職業学院(袁允偉・校長)と閘北区社区学校そして上海テレビ大学閘北分校を一体的に管理する体制を取っているようです。このたび袁允偉さんがめでたく院長に就任された上海行健職業学院については、資料(5)があります。
 訪問当日(11月2日)にも袁さん自らがパワーポイント使い、説明してくださいました。2001年にそれまでの閘北区「業余大学」を改編し、数理応用、経営管理、人文科学、就学前教育教員養成の4系22専攻の高等職業学院として、現在では4500人の全日制生徒が学んでいます。就職率は96%前後とのこと。成人に対する教育サービスもありますが、やはり以前の業余大学のように成人が働きながら夜間に学ぶという状況は見られなくなっているようでした。
 小林先生は、ディスカッションの中で、特にこの点を強調され、中国のいわば蓄積でもある成人職業教育体系、公共的職業訓練機能の後退について、現代的課題(格差、ワーキングプアーなど)との関連で、その問題性を参加者(韓民さん、呉尊民さんも含めて)に提起されました。
 文面があまり長くなってもいけませんが、資料(5)32頁の写真には、なんと小生が写っているではないか。2004年の上海社区教育国際フォーラムで当学院におじゃました時のもので、この冊子を編集された袁さんがこっそり載せてくれたのかもしれない。
 《資料のリスト》
(1)上海市教育委員会編『第6回長三角社区教育発展論壇 文集』上海教育出版社 2008.9
(2)叶忠海、張徳明編著『2002〜2007上海社区教育 研究選集』上海教育音像出版社 2008.10
(3)閘北区社区教育委員会弁公室編『閘北社区教育 実践と探求 2005〜2008』2008.8
(4)閘北区市民学習指導センター編『閘北区社区居民学習指南 2008年秋季』2008.9
(5)『上海行健職業学院5周年記念誌 2001-2006』
(6)楊浦区委宣伝部編『楊浦区概要』
(7)楊浦区創建学習型城区推進指導委員会編『楊浦社区教育(季刊)』創刊号 2008.7
(8)『楊浦区社区学校系列教材 健康人生』同済大学出版社2007.7
(9)『楊浦区社区学校系列教材 ネットワークABC』同済大学出版社2007.7
(10)『楊浦区社区学校系列教材 法律常識』同済大学出版社2007.7
(11)『楊浦区社区学校系列教材 庶民英語』同済大学出版社2007.7
(12)『楊浦区社区学校系列教材 科学生活』同済大学出版社2007.7
(13)『楊浦区社区学校系列教材 市民礼儀』同済大学出版社2007.7
(14)『楊浦区社区学校系列教材 公共安全』同済大学出版社2007.7
(15)『楊浦区社区学校系列教材 家庭教育』同済大学出版社2007.7
(16)『楊浦区五角場社区文化センター』(施設概要)
(17)徐匯区業余大学編『徐匯区業余大学、徐匯区社区学院』(概要)
(18)徐匯区社区教育委員会弁公室、徐匯区社区学院編『徐匯区 2008年春季終身教育課程手冊』    2008.1
(19)徐匯区徐家匯街道社区教育委員会、徐匯区徐家匯街道社区学校編『社区学校 徐匯区徐家
 匯街道社区学校指南』(リーフレット)
(20)徐家匯社区党工委、徐家匯街道弁事所、徐匯区社区教育委員会『快楽学習 精彩人生』
 (徐匯区街道第一回学習祭)2006.10
(21)徐家匯社区党工委、徐家匯街道弁事所『徐家匯街道社区文化活動センター』(施設概要)
(22)徐匯区社区学院編、徐匯区社区教育委員会発行『徐匯・社区教育』第12号 2008.5
(23)徐匯区社区学院編、徐匯区社区教育委員会発行『徐匯・社区教育』第14号 2008.9
(24)徐匯区社区学院編『徐匯区社区教育優秀課程資料2006年度』2007.5


■<上海資料の紹介> 黄丹青 南の風2127号(11月17日)
 上海・社区教育資料に関する重い書類を持ってきていただき、本当にありがとうございました。新しく刊行された上海市教育委員会編『改革発展中的上海成人教育』(改革開放30年記念)から大まかな全貌が読み取れ、良い入門書ですので、12月研究会に紹介してみます。


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