韓国(旧)社会教育法
 (1982.12.31制定、1997.12.13一部改正)
    *平生教育法(2017)→■



 第1章 総則

第1条(目的)この法は、すべての国民に平生を通じた社会教育の機会を付与し国民の資質を向上させることで、国家社会の発展に寄与することを目的とする。

第2条(定義)
この法で使用する用語の定義は、次のとおりとする。   
1.「社会教育」とは、他の法律による学校教育を除き国民の平生教育のためのすべての形態の組織的な教育活動をいう。

2.「社会教育団体」とは、社会教育を主な目的とする法人と法人でない団体をいう。
3.「社会教育施設」とは、社会教育を主な目的とする施設をいう。

第3条(適用範囲)社会教育に関しては、他の法律に特別な規定がある場合を除いては、この法を適用する。

第4条(機会均等及び自律性の保障)@すべての国民は、社会教育の機会を均等に保障される。
A社会教育は、学習者の自由な参与と自発的な学習を基礎として成されなければならない。

第5条(社会教育の中立性)
社会教育は、政治的・派党的その他個人的偏見の宣伝のための方便として利用されてはならない。

第6条(社会教育の実施)誰でもこの法と他の法令が定めるところにより、社会教育を実施することができる。ただしし、次の各号のいずれかに該当する者はこの限りではない。
1.禁治産者又は限定治産者 
2.破産者で復権されていない者 
3.禁錮以上の刑を受けその執行が終了し、又は執行を受けないよう確定された後3年が経  過していない者
4.法院の判決又は法律により資格が停止又は喪失された者

第7条(教育課程等)@社会教育は、教育の課程・方法・時間等に関しこの法と他の法令に特別な規定がある場合を除いては、これを実施する者が定め、学習者の必要と実用性を尊重しなければならない。
A一定の時間以上実施される社会教育課程には、国民教養に必要な一定の教育内容を含まなければならない。
B第2項の規定による一定の時間以上実施される社会教育課程及びこれに含まなければならない国民教養に必要な教育内容は、大統領令で定める。

第8条(公共施設の利用)@社会教育実施者は、社会教育のためその本来の用途に支障がない範囲内で、公共施設を利用することができる。
A第1項の規定により公共施設を利用しようとするときには、その管理者は特別な事由がない限りその利用を許容しなければならない。

第9条(営利の制限)社会教育は、営利を目的に実施してはならない。

10条(履修者の学力等認定)@大統領令が定める一定の社会教育課程を履修した場合には、それに相応した社会的待遇が付与されなければならない。
A大統領令が定める社会教育課程を履修した者に対しては、大統領令が定めるところによりそれに相応した学校を卒業した者と同等以上の学力があることと認定することができる。

第2章 国家及び地方自治団体の任務

11(国家及び地方自治団体の任務)@国家と地方自治団体は、この法と他の法令が定めるところにより、社会教育施設の設置、社会教育専門要員の養成、教育資料の開発、経費の補助その他の方法ですべての国民に社会教育の機会が付与されることができるよう努力しなければならない。
A国家と地方自治団体は、その所管に属する団体又は施設・事業場等の設置者に対し、社会教育の実施を積極勧奨しなければならない。

12(社会教育政策調整委員会の設置)@社会教育に関する政策を審議・調整するため教育部に社会教育政策調整委員会を置く。
A第1項の社会教育政策調整委員会の組織・機能・運営等に関し必要な事項は、大統領令で定める。

13(社会教育協議会)@社会教育の効率的な実施のため協議・調整その他社会教育実施者相互間の協力増進のため、特別市・広域市及び道の教育委員会(以下「市・道教育委員会」という)に社会教育協議会を置く。
A第1項の社会教育協議会の組織と運営に関し必要な事項は、当該地方自治団体の条例で定める。

14条(指導及び支援)@市・道教育委員会は、社会教育団体又は社会教育施設の設置者の要請があるときには、その団体又は施設の設置者の社会教育活動を指導又は支援することができる。
A市・道教育委員会は、社会教育団体又は社会教育施設の設置者の要請があるときにはその団体又は施設で社会教育活動に従事する者の能力向上のため必要な研修を実施することができる。

15条(経費補助)@国家は、地方自治団体に対し社会教育の振興に必要な経費を補助することができる。
A国家と地方自治団体は、社会教育団体又は社会教育施設の設置者に対し予算の範囲内で必要な経費を補助することができる。

16条(資料提出の要請)教育部長官又は市・道教育委員会は、社会教育団体又は社会教育施設の設置者に対し社会教育に関する調査・研究その他計画樹立に必要な資料の提出を要請することができる。

 第3章 専門要員

17(専門要員の資格等)
@大統領令が定める一定の規模以上の社会教育団体又は社会教育施設には、社会教育課程の編成・進行と教育効果の分析・評価等社会教育活動の企画・分析及び指導業務を専担する社会教育専門要員(以下「専門要員」という)を置かなければならない。
A第1項の規定による専門要員の資格その他必要な事項は、大統領令で決める。

18条(欠格事由)第6条各号のいずれかに該当する者は、専門要員になることができない。

19条(身分保障)
専門要員の身分は保障されなければならず、これに必要な事項は大統領令で定める。

20条(専門要員養成・研修機関の設立認可)@教育部長官は、大統領令が定めるところにより専門要員を養成し、又は研修する機関の設立を認可することができる。

第4章 社会教育施設

21(社会教育施設の設置)@社会教育施設を設置しようとする者は、大統領令が定めるところによりその目的を実現するための施設・設備を備えなければならない。
A第1項による社会教育施設の設置者は、大統領令が定めるところにより管轄市・道教育委員会に登録しなければならない。
B社会教育施設の設置者がその施設を閉鎖しようとするときには、大統領令が定めるところにより管轄市・道教育委員会に申告しなければならない。

22条(学院等)私人が、多数人に30日以上継続又は反復し社会教育を実施する施設で次の各号のいずれかに該当しない施設の振興・育成に関しては、別に法律で定める。
21条の規定により設置された社会教育施設
2. 事業場等の施設で所属機関の研修のための施設
3.第26条の規定により学校に附設した施設

23条(図書館及び博物館)@図書館及び博物館は、社会教育施設とする。
A図書館及び博物館に関し必要な事項は、別に法律で定める。

 第5章 学校及び大衆媒体と社会教育

24条(学校と社会教育)@大学・師範大学・教育大学及び専門大学は、当該大学の特性に合う社会教育を実施しなければならない。
A第1項の学校を除く学校は、当該学校の施設状況を考慮し適正な方法で社会教育に寄与しなければならない。

25条(学校施設の利用)学校の図書館・博物館その他施設は、学校教育に支障がない範囲内で社会教育のためこれを利用することができる。

26条(社会教育施設の附設)@学校に社会教育事業のため必要な施設を附設することができる。
A学校の設置経営者は、第1項の規定による施設を附設し、又は閉鎖しようとするときには、監督庁に申告しなければならない。

27条(大衆媒体と社会教育)新聞・放送・雑誌等大衆媒体を経営する者は、当該媒体の運営に支障がない範囲内でその媒体を通じ社会教育に寄与しなければならない。

 第6章 補則

第28条(是正命令) 市・道教育委員会は、社会教育に関する活動が第5条・第7条第2項及び第9条の規定に違反したときには、大統領令が定めるところによりその是正を命じることができる。
A第1項の規定により是正命令を受けた者は、正当な事由がない限り指定された期限内にこれを履行しなければならない。

第29条(罰則) 第7条第2項及び第9条の規定に違反し第28条第1項の規定による是正命令に違反した者は、100万ウォン以下の罰金に処する。

第30条(施行令) この法施行に関し必要な事項は、大統領令で定める

(魯在化・小田切督剛 共訳)

                                           
      
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